紅白の梅咲き揃うは午(うま)の春、桃はその後(ご)と申すぞよ。神のお扉開くまでに立分けお済ませ下されよ。この世の閻魔と出る時節、一切衆生は知らぬ事。神々様とて知らぬ事。旨(むね)に一厘有る無しをシカリと見抜いて下されよ。犬が西向きゃ尾は東、東西終わりが見えたな ...
トドメノフミ(十五)
信心個々ぞと言うたぞよ、銘々一人は一の種。尊き尊き一の種、人が飯喰い用を足し、それにてその身立ち行くか、立ち行く道理ぞあるまいに、人のお徳にしがみつきどこどこまでも参ります。小判鮫でもあるまいに、そんな信心増すばかり、後から後から沸いて出る。己れの救済乞 ...